旅をする際、その手段は様々です。
車、自転車、徒歩、海に行けば私の専門であるカヤックに・・・
様々な旅のスタイルがありますが、自転車やカヤックなど、人力の乗り物での旅は景色の写り方もゆっくりでありながら長距離移動が可能なとても魅力的な手段ですよね!
ですが、こういった乗り物を使った旅では機材トラブルがつきもの。自転車であればパンクやチェーン破綻などが挙げられるかと思います。では水の上の旅ではどうか。今回はそういったお話です。

私が専門にしているカヤックでは、主体となるのが【艇体】【パドル】、オプションで艇体に付随する【ラダー(舵)】や【スケッグ(フィン)】の破損などの機材が挙げられます。その中でも、自分の体と足となる【艇体】と【パドル】。自転車で言えば【車体】と【ペダル】でしょうか。これらは特に重要な機材となります。
どの乗り物でもそうですが、重要な機材になればなるほどスペア機材、つまり予備の機材の重要性が高くなります。とはいえ、車体や艇体は大きすぎてスペアの持ち運びはできません。となると持ち運びできる予備機材は重要性が高いながらもできるだけ持ち運びしやすいものに限られます。実際、自転車であれば予備チューブを持ち運びます。ペダルは金属のものを使えばそう簡単に壊れないので持ち運ぶ重要性は薄まるでしょう。

ではカヤックでは?
と考えると、真っ先に挙げられるのはパドルです。

パドルはアルミやグラスファイバー、カーボンなど、様々な素材が使われていますが、共通して言えるのは『パドルが破損すれば会場で移動ができなくなる可能性が高い』
当たり前ですが、その当たり前こそが重要です。

先日カヤックで浮いている際、泊まった状態から漕ぎ出そうとしたタイミングで、動かしたパドルがものすごい音を立てながら持ち手部分『シャフト』の接続部分付近から真っ二つに折れました。

そしてこの日、私はいつも積んでいるはずの予備パドルを忘れた状態で海に出ており、危うく海上で身動きが取れなくなるところでした。
幸い、風も波も流れもほとんどなかったため、折れたパドルをカナディアンカヌーやSUPのように片側で漕いでスタート地点まで帰ることができましたが、もしこれで風が吹いていたらと考えると、遭難していたかもしれないミスです。

どれだけ高額でいい機材を使っていたとしても、その機材の作りが製造工程の中で何らかの理由でたまたま弱くなってしまったり、気づかないうちに発生した傷や経年劣化等により一瞬で破損してしまうことはあります。今回私はその【たまたま】に引っ掛かってしまったのです。
陸上における【たまたま】なら、お店に行ったり助けを求めたりするのにそこまで高いハードルはありません。
しかし海ではそんなことは簡単にできず、【たまたま】のトラブルがほぼすぐ遭難に直結するケースが少なくありません。
つまり、【たまたま】への備えが重要となってくるのです。

私の場合、上の写真のようにカヤックのデッキ上のゴムロープで予備パドルを載せています。
こうすることでパドルが破損してもすぐに取り出すことができ、転覆状態で持っているパドルが手から離れてしまったり破損しても、カヤックに乗ったまま水中で予備パドルを片側だけでも取り出し、『ロール』という技術で復元ができます。

今回の私のような、遭難に直結する可能性があるトラブルが起こらないよう、普段の機材メンテナンスはもちろん、実際に行動する際の予備機材の準備や整備もメイン機材並みに重要となります。
カヤックに限らず、皆さんは自分の乗り物の予備機材の準備や整備はできていますか?
今後の遊びの中で自分自身を守るためにも、今一度【予備機材】の見直しをしてみてはいかがでしょうか?

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